県議会議事録(平成30年度)

2025年の超高齢化時代を見据えた持続可能な青森県づくりについて≪一般質問 平成30年10月定例会≫

人口の推移と将来推計(青森県)
本県では、今後五年間の行財政全般に係る政策及び施策の基本的な方向性について総合的かつ体系的に示した次期青森県基本計画の策定に向け準備を進められておりますが、人口減少、少子高齢化、二〇二五年問題といった課題の克服に向けた取り組みを一層強化していかなければいけないものと思っております。
 また、高齢化が進み、人口が減少する中においても、買い物、交通、生活支援などの必要なサービスを維持していくためには、市町村が主体となって、持続可能なよりよい地域のサービスの提供の仕方、担い手を模索していかなければなりません。

質問1

次期青森県基本計画において、持続可能な青森県づくりに向けて、二〇二五年の超高齢化時代にどのように対応していくのかお伺いいたします。

答弁1 三村知事

持続可能な青森県づくりに向けて、二〇二五年の超高齢化時代にどのように対応するかでございますが、全国よりも速いスピードで人口減少や高齢化が進む本県において、団塊の世代が全て後期高齢者となります二〇二五年の超高齢化時代の到来は、保健・医療・福祉体制の維持のみならず、買い物や食事、交通などの生活機能の確保までもが困難になると見込まれるなど、地域の存続そのものにかかわる重大な危機が迫っている状況にあると考えております。

このため、本県では、県民の誰もが、地域で生まれ、地域で育ち、地域を助け、地域で安心して老後を迎えることができる青森県型地域共生社会の実現に向けて、保健・医療・福祉包括ケアシステムの構築や充実、多様な担い手の確保、育成、買い物、食事、交通といった生活機能を維持確保するための仕組みづくりなど、持続可能な生活機能の提供体制を早期に構築する取り組みを、市町村を初めとする関係機関とともに進めているところでございます。

次期基本計画におきましては、取り組みをさらに充実強化していくため、重点的に取り組む戦略プロジェクトの一つとして、新たに持続可能な地域づくりを推進するプロジェクトを設定いたしまして、引き続き全庁を挙げて取り組むべき課題として位置づけるとともに、全ての地域別計画に二〇二五年問題への対応を位置づけており、市町村の主体的な取り組みを促しつつ、地域の実情も踏まえながら、積極的に取り組みを進めていきたいと考えております。

地域医療構想の実現について

国立病院機構、弘前市、県、弘前大学の四者で、平成30年10月4日津軽地域保健医療圏における新中核病院の整備及び運営に係る基本協定の締結がなされました。
 しかし、津軽地域の地域医療構想の実現に当たっては、病床の機能分化・連携、病床の有効活用など、弘前市を取り巻く隣接町村の自治体病院や民間病院などとの連携調整が不可欠であり、何よりも医療従事者、特に医師の確保、養成に力を注いでいかなければいけないと考えております。
 新たに診療科もふやし、充実強化された医療機器を備えた中核病院を整備したとしても、それを有効に活用できる医師が十分に確保できなければ、その機能を最大限に発揮することはできないと考えております。

質問2

新たな中核病院における医師の充足について県の見解をお伺いいたします。

答弁2 健康福祉部長

新たな中核病院は、現在の弘前市立病院と国立病院機構弘前病院の診療科の充実、拡充がされた上で、二十四診療科でスタートする予定となっています。加えて、胸部・心臓血管外科、脳神経外科については、将来の開設を目指すとされています。

また、新たな中核病院は、圏域内で弘前大学医学部附属病院に次ぐ病床規模となり、二次救急医療を初め、がん・周産期医療などの高度・専門医療や、地域医療支援などの役割を担うこととなります。

さらに、弘前市、国立病院機構、弘前大学、県の四者の合意のもとで整備をされるものであり、弘前大学の全面的な協力のもと、必要な医師が配置されるものと考えています。

また、本県における先行事例で、全国のモデルともなった西北五地域の自治体病院等機能再編成では、基幹病院であるつがる総合病院における常勤医師数が、再編後、大幅に増加するなど、再編の効果があらわれています。

このような状況を踏まえながら、新たな中核病院が必要とする医師の充足が図られるよう、取り組んでいきたいと考えています。

循環型社会の形成に向けた取り組みについて

我が青森県は、平成二十八年三月、第三次青森県循環型社会形成推進計画を策定し、廃棄物の適正処理と資源の循環利用を一体的に推進しながら、県、市町村、県民、事業者等が一丸となっての循環型社会の形成に向けた3Rの取り組みの推進を図ってきたところであります。
 しかしながら、平成二十八年度実績では、県民一人一日当たりのごみ排出量は千四グラムで全国四十二位、リサイクル率は一五・三%で全国四十一位と全国下位レベルに低迷している状況でもあり、早期の脱却を図るための一層の取り組み強化が必要と考えております。
 そのためには、県だけが努力するのではなく、事業者との連携、住民に身近な市町村の取り組みが必要となってまいります。

質問3

県民、事業者、行政等の連携によるごみ減量やリサイクルなど3Rのさらなる推進にどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。

答弁3 三村知事

天然資源の消費を抑え、環境負荷の低減を図る循環型社会を形成するためには、県民一人一人によるごみの減量やリサイクルなどの3Rの実践が第一歩であり、事業者や市町村等さまざまな主体との連携により取り組むことが必要と考えているところでございます。

このため、循環型社会形成推進計画を策定いたしまして、施策を進めますとともに、県民、事業者、市町村等との連携によるもったいない・あおもり県民運動を展開し、県民総参加で3Rに取り組む機運の醸成と、その実践を促す取り組みを進めてきました。

これまで、小売事業者と連携いたしましたレジ袋削減のほか、市町村及び資源回収業者と連携いたしましたオフィス町内会や小学校の協力のもとでの小学生雑紙回収チャレンジといった紙ごみの資源化対策などを実施しており、着実に成果があらわれてきているところでございます。

また、今年度は特に、生活系可燃ごみの約五割を占めます生ごみの減量に重点的に取り組んでおりまして、スーパーマーケットや市町村のイベント等に積極的に出向きまして、「食材は使いきる」「料理は食べきる」「生ごみは水気をきる」の三つの「きる」のPR活動を実施しております。

今後とも、循環型社会の形成に向けまして、県民、事業者、市町村等と連携、協力し、一丸となって3Rを推進していきたいと考えているところでございます。またあわせて御協力をお願いいたします。

質問4

市町村等のごみ処理施設の再編や広域化の促進に取り組むべきと考えるが、県の考え方についてお伺いいたします。

答弁4 環境生活部長

一般廃棄物の処理主体である市町村においては、ごみ排出量削減やリサイクル推進などの3R推進の取り組みを住民、事業者、地域団体などと連携しながら進めるとともに、家庭等から排出されたごみの適正な処理を確保するため、ごみ処理体制やごみ処理施設の整備に取り組むことが必要です。

ことし六月に閣議決定された国の廃棄物処理施設整備計画では、3Rの一層の推進や人口減少に伴いごみの発生量が減少傾向にあること、少子高齢化や過疎化の進行等に伴い地域のごみ処理の非効率化が懸念されている状況にあることなどから、地域において改めて安定的かつ効率的な処理体制の構築を進めることが必要であるとしています。また、そのためには、ごみの広城的な処理や処理施設の集約化を図る等、必要な処理施設整備を計画的に進めていくべきであるとしており、本県においても、このような整備方針は有効であると考えます。

県では、引き続き、ワーキング会議等を通じて市町村等の実情を踏まえた施策の助言等を行うこととしており、このような場を活用するなどして、市町村等による処理施設の整備についても、広域的な処理の有効性、効果的な処理方法や施設規模等について必要な情報提供や、技術的支援などを行っていきたいと考えています。

リンゴ黒星病対策について

黒星病の被害果糖鎖
県が発表した黒星病の発生状況調査結果については、七十二地点にわたる広範囲な調査であると聞き及んでおりますが、王林やトキ、主力品種のふじで感染した果実の割合が一昨年よりも少ない上に、被害果率が昨年を下回るというものでした。この調査結果が報道された七月二十一日付の新聞を見て、多くの生産者たちから疑問の声が上げられております。
 現状では、県の防除暦どおりに散布時期を守り、散布量、散布回数を遵守し、加えて耕種的防除の徹底に努めたとしても、地域を問わず大発生しているリンゴ黒星病を撲滅することは困難であり、より効果のある新薬の開発を加速させていくことを初め、県、関係者一丸となって立ち向かっていくべきと感じております。

質問5

果実におけるリンゴ黒星病の発生状況調査の方法と結果についてお伺いいたします。

答弁5 農林水産部長

では、本年におけるリンゴ黒星病の果実への発生状況を把握するため、七月十二日と十三日に、ふじ、ジョナゴールド、つがる、王林は七十二地点、トキは六十一地点で、県りんご協会などと合同で着果数と被害果実数を調査しました。

その結果、リンゴ黒星病による被害果実の発生割合は、高い順に、つがるが一・八%、王林が一・六%、トキが一・四%、ふじとジョナゴールドが〇・四%となり、昨年に比べてつがるとジョナゴールドは若干高かったものの、他の品種はいずれも下回ったところです。

県としては、この調査結果について、リンゴ黒星病の発生が拡大した六月以降、生産者が薬剤防除を徹底するとともに、被害果実を丁寧に取り除く摘果作業を徹底したことによるものと受けとめています。

質問6

新しい発生予察システムの開発状況についてお伺い致します。

答弁6 農林水産部長

リンゴ黒星病の発生を抑制していくためには、主な感染時期である四月から五月にかけて、黒星病菌の飛散を予測し、活発に飛散する降雨前に防除薬剤を散布することが重要となります。このため、県では、さきに策定した青森県りんご黒星病発生防止総合対策においても、発生予察の強化を対策として掲げたところです。

新たな発生予察システムは、県内五地点の気象観測データと黒星病菌の飛散状況の関係を分析し、気温と湿度等の気象条件や葉のぬれ時間などから、菌の飛散を事前に予測できるプログラムであり、現在、県産業技術センターりんご研究所が国の試験研究機関と共同で開発に取り組んでいます。

現時点では、来年度からの仮運用、平成三十二年度からの本格運用を目指しており、県としては、生産者が適切なタイミングで薬剤散布ができるよう取り組んでいきます。

冬期道路交通の安全確保対策について

青森県内に住んでいるほとんどの人々は、冬期間の雪との闘いを避けて通ることはできません。雪による交通渋滞や毎日の雪かき作業、特に、重機によって自宅の間口に置き去りになった雪の塊を見るにつけ、県民の怒りのボルテージは高まり、担当部局への苦情の電話が鳴りやまない事態もあるなど、これから迎える冬期間の除排雪のあり方がいま一度問われ、より効率的、効果的な除排雪の取り組みが求められているものと推察いたしております。

質問7

県管理道路における除排雪の取り組みについてお伺いいたします。

答弁7

本県は、四十市町村全てが豪雪地帯に指定されている豪雪地域であり、県管理道路の除排雪による冬期交通の安全確保は、県民生活に直結する課題であることから、県では毎年度、国県道の除排雪を実施しております。
 県管理道路における今年度の車道除雪については、二百四十二路線、延長二千九百八十八キロメートルを三百九十一台の除雪機械により、また、歩道除雪については、延長三百七十五キロメートルを百五十六台の除雪機械により実施する予定です。

除排雪作業においては、降雪等により道路交通が阻害され、地域の産業活動や生活が停滞しないよう、朝の通勤通学の時間帯までに完了させることを基本に実施しております。

また、除排雪作業の効率化を図るため、国や市町村と相互に協力し、袋小路や回送に時間を要する区間について、双方の管理区分を越えて作業を行う交換除雪に取り組んでおります。

さらに、県が保有する小型除雪機を市町村や地域団体に貸し出し、歩道除雪を行うスクラム除雪により、通学路等の確保を図っております。

質問8

より効率的、効果的な排雪作業を実行していくためには、市街地の行政機関の保有する敷地や民地の空き地なども利用できる仕組みづくりが大変重要であると考えます。

そこで弘前市内における排雪場所の確保についてお伺いいたします。

答弁8

弘前市内において、県が昨シーズンに利用した排雪場所は、町田地区及び悪戸地区の岩木川河川敷二カ所でした。

一方、市の排雪場所として、堀越地区の市有地など計六カ所が利用されておりますが、既存排雪場所のみでは配置バランスに欠ける上、周辺の道路で渋滞が発生するなど、運搬排雪作業が非効率となっていることから、同市より、県と市が共同利用できる雪置き場の整備を一緒に検討してほしいとの要望を受けているところです。

現在、弘前市が中心となり、県と市の共同利用による新たな雪置き場の整備候補箇所の選定を進めているところですが、県としても、市と連携しながら検討を進めてまいります。

文教公安常任員会 質疑内容

質問1

県警察における優秀な人材確保に向けた取り組みについてお伺い致します。

答弁1 警務部長

最近の治安情勢を見ますと、御指摘のとおり、刑法犯認知件数が減少傾向にあるなど、数値的には改善傾向にございますが、DV、ストーカー事案等の人身安全関連事案への的確な対応やサイバー空間の安全確保、原子力関連施設等への警戒警備を始めとした国際テロ対策の強化等、県警察が抱える問題は山積しております。こうした事象に適切に対応するためには、意欲と能力を有する優秀な人材の確保が極めて重要であります。

近年、さまざまな社会的要因により厳しい採用情勢が継続しておりますが、県警察においては、警察学校における学校生活等を紹介するオープンキャンパスやインターンシップといった体験型説明会の開催、受験者世代の目線で相談や質問にきめ細かく対応できるよう、若手の採用コンシェルを県内外における就職ガイダンス等に派遣しておりますほか、今年度は特に警察官募集を訴えるオリジナルソング及び動画を作成し、県警ホームページへの登載や動画配信サイト、ユーチューブへの配信等、インターネットを利用した情報発信についても強化したところでございます。

県警察といたしましては、意欲と能力を有する優秀な人材を確保するべく、警察官としての仕事の魅力ややりがいを伝えていくなど、引き続き積極的な採用募集活動に取り組んでまいりたいと考えております。

質問2

国の文化審議会世界文化遺産部会において、北海道・北東北の縄文遺跡群が今年度の推薦候補に選定されましたが、このことに対する教育長の見解をお伺いします。

縄文遺跡の写真

答弁2 教育長

北海道・北東北の縄文遺跡群につきましては、平成21年度に世界文化遺産暫定リストに記載されてから、これまでさまざまな課題に対して、関係者とともに真摯に取り組んでまいりました。

今回の結果は、そうした推薦に向けた着実な準備と、青森県の縄文遺跡群世界遺産をめざす会の皆様や、地元の皆様に加え、特別史跡三内丸山遺跡を初め縄文遺跡群を訪れてくださる多くの皆様の御支援が実を結んだものと考えております。

 このたび、ユネスコへの推薦の候補となったところでありますが、今後、開催される世界遺産条約関係省庁連絡会議を経て、正式にユネスコへの推薦が決定されることとなります。

私としましては、世界遺産登録実現に向けて大きく前進したという思いとともに、世界遺産登録実現に向けて、より一層の取り組みを企画政策部や北海道、秋田、岩手など関係自治体と連携して進めていかなくてはならないと強く感じているところでございます。


青森空港の活性化について≪一般質問 平成30年2月定例会≫

多彩な観光資源を有する本県の強みを最大限に活かした、観光による交流人口の拡大は、国内外を問わず多くの人々を県内に呼び込み、消費活動を促進することによって地域経済及び地域コミュニティの活性化をうみ、さらには雇用の拡大にもつながる大変有効な取組であり、青森空港の役割は国内外を問わず交流人口の拡大に大きく貢献しているものと考えております。

質問1

顧客満足度を高めることを意識しながら、利便性向上に向けた青森空港旅客ターミナルビルリニューアル計画の概要についてお伺い致します。

答弁1 県土整備部長

青森空港旅客ターミナルビルは、供用開始から三十年が経過して老朽化が進んでいるほか、就航数の増加などにより各施設が手狭になっております。
計画では、既存のターミナルビルを約三千三百平方メートル増築して、国内線及び国際線のチケットロビー、搭乗待合室、到着手荷物受取所などを拡張するほか、特に国際線については、専用の保安検査場の新設並びに入国審査及び税関検査のブースの増設を行い、混雑の緩和を図ることとしています。

このほか、免税店の拡張といった商業施設の改修も計画されており、本リニューアル全体の概算事業費は約二十六億円と見込まれています。
同社では現在、設計作業を進めており、設計完了後は速やかに工事に着手するとのことです。

質問2

青森空港の航空路線の充実に向けて、県はどのように取り組んでいくのかお伺い致します。

答弁2 三村知事

青森空港の航空路線の充実は、交流人口の拡大、企業活動の促進、国際化の促進、大規模災害時における高速交通体系の代替性などの観点から、本県にとって極めて重要であると考えております。
このため、関係機関が一体となって各航空会社に対し路線の維持拡大に向けた活動を行ってきたところであり、私自身もその先頭に立ってセールス活動を積極的に行ってきました。
こうした取り組みにより、青森空港の利用者数は、平成二十三年度の約八十万人から平成二十八年度には約百九万人まで回復しているところであります。さらに今年度は、国から訪日誘客支援空港の認定を受けまして、当該制度を積極的に活用するなど、国際線の誘致拡大に努めました結果、青森─天津線の新規就航、青森─ソウル線の増便、エバー航空による青森─台北線の定期チャーター便運航が実現しております。

また、全国に先駆けて、陸路、海路、空路といった多様な交通手段を組み合わせた立体観光に取り組んできた結果、国内線、国際線ともに利用者数が着実に増加してきているところでございます。
私としては、引き続き、市町村及び関係機関と運携しながら、利用促進策の強化でありますとか航空会社への要請を行い、既存路線の維持拡大、新規路線の開設、これまで就航実績のある路線の早期復便等に積極的に取り組んでいきます。

世界自然遺産白神山地の活用ついて

今年白神山地世界遺産登録25年目の節目の年を迎えるにあたり、今一度世界自然遺産としての素晴らしさや周辺地域の伝統文化を県内外にPRするなど、白神山地の地域資源や価値の適正な活用を図る県の取組が重要であると考えております。

質問3

白神山地を活用した県の取組み状況についてお伺い致します。

答弁3 環境生活部長

県では、平成二十五年の白神山地世界自然遺産登録二十周年を契機に、地元市町村やガイド団体等と連携しながら、一つとして、ブナ林トレッキング、登山、川下り、カヌー、木登りなどのさまざまな体験プログラムの創出、二つとして、体験プログラムを一元的に発信し、予約も可能なウエブサイト「白神カレンダー」の開設、三つ目として、体験プログラムを集中的に発信、実施するイベント、白神まるごと体験博覧会の開催、四つ目として、子供たちが白神の自然や暮らし、楽しみ方を合宿スタイルで体験する自然体験学習会の開催、五つ目として、白神山地を体感できる自然観察歩道の整備、六つ目は、外国人観光客が安全に登山できるよう外国語併記案内看板等を設置、七つ目として、英語、中国語及び韓国語による白神山地多言語ウエブサイトの開設など、白神山地の地域資源を活用したエコツーリズムの取り組みを進めてきたところでございます。

質問4

白神山地の魅力を積極的に発信していくことが重要と考えるが、今後どのように取り組んでいくのかお伺い致します。

答弁4 三村知事

白神山地には、多様な動植物が織りなす生態系の価値を初め、自然との共生により育まれてきた暮らしや文化、ブナの森が生み出す豊かな山、川、海の恵みなど、白神ならではの多彩な魅力があると考えております。
その価値や魅力を、白神山地を訪れる方々に四季折々に体感していただけるよう、体験プログラムの創出などエコツーリズムの取り組みを進めておりますが、この取り組みを持続可能なものにするためには、地域が一丸となって、白神山地の価値を再確認し、さらなる魅力を発見、創造するとともに、県内外や国外に積極的に情報発信していくことが重要であると考えています。

このため、今後は、影響力のある著名な自然愛好家と地域との交流を通じて白神山地の価値や魅力を再発見するとともに、東京オリンピック・パラリンピックを好機と捉え、海外プレスの招請や外国人観光客の受け入れ態勢整備に取り組み、県内外及び国外に広く情報発信することにより、白神山地のエコツーリズムを一層推進し、世界自然遺産白神山地をしっかりと未来に継承したいと考えております。

りんご産業の振興について

先人達の努力によって守り継承されてきた日本一のりんご産地を維持しながらも、高品質かつ安定的なりんご生産ができるりんご産業の振興対策が急務であると考えております。

質問5

りんご産地の補助労働力確保に向けた県の取組についてお伺い致します。

答弁5 農林部長

県では、リンゴ産地の労働力不足に対応するため、昨年度に、市町村や農協、ハローワーク、シルバー人材センター等で構成する労働力確保推進協議会を設置し、モデル地区として、リンゴ栽培が盛んな弘前市相馬地区を選定し、労働力の実態調査を行いました。その結果、補助労働力不足は、全工程の中で、摘果、葉摘み、収穫の三作業時に集中していることがわかりました。
このため、今年度は、地域の方々が集まりやすい場所として、生協や量販店等でチラシを配布し、葉摘みと収穫の作業の募集をしたところ、補助労働者を必要とした十五戸の生産者に対し、市外の主婦層や県外出身の大学生など三十一人から応募があり、このうちの二十六人が九月からの作業に従事しました。

こうした結果を踏まえ、県としましては、補助労働力の確保には、雇い入れる側が作業時間等の雇用条件を柔軟に設定するなどの課題はあるものの、工夫次第で可能性が広がるものと考えております。来年度は、この取り組みを他地域へ拡大するため、農作業への不安を払拭するための講習会や、作業手順をまとめたDVDの活用等の取り組みを積極的に実施することとしております。

質問6

高齢化等でりんご産地の労働力が不足してきている中、りんご産地を堅持するため県はどのように取り組んでいくのかお伺い致します。

答弁6 三村知事

青森リンゴは、百四十年間の歴史が築き上げ、世界一の技術に裏打ちされた品質を誇る、我が国を代表するトップブランドでありますとともに、春の白い花や秋の真っ赤な果実が風景に彩りを添え、収穫体験等の観光資源としても大きな役割を果たしております。
私は、本県のシンボルとも言えるリンゴの生産において、生産者の高齢化の進行や、後継者、労働力不足の深刻化に対応するためには、さらなる生産性の向上を図り、次代を担う人財をしっかり確保していくことが重要であると考えております。

このため、矮化栽培への改植、新植や、トキなどの食味のよい黄色品種の計画的な導入による省力化、植栽本数を通常の約三倍にする高密植栽培等の新たな技術の活用を図っていきますとともに、担い手への農地の集積による加工リンゴ専用園の導入促進など、生産体制の強化に取り組んでいきたいと考えるところであります。

また、県りんご協会や市町村等と連携し、生産から販売までの知識と技術を習得する養成研修を通じて、リンゴ栽培を志す担い手を着実に確保、育成するほか、補助労働力の確保・供給システムを全県的に広めるなど、持続可能な産地づくりに取り組んでいきます。

小学校外国語教育の充実について

文部科学省では、急速に進むグローバル化に対応し、国際的に活躍できる人材をしっかりと育成するため、小学校からの英語教育を強化することを目的に教育改革を打ち出し、制度導入に向けた各自治体教育委員会の対応が急がれると考えております。

質問7

平成29年3月に告示された小学校学習指導要領における外国語教育及びその移行措置の概要についてお伺い致します。

答弁7

平成二十九年三月に告示された小学校学習指導要領では、教育内容の主な改善事項の一つに外国語教育の充実が挙げられ、第三学年及び第四学年の中学年では外国語活動が、第五学年及び第六学年の高学年では教科としての外国語が新たに導入され、平成三十二年度から全面実施となります。

また、移行措置については、平成二十九年七月に文部科学省から示されており、平成三十年度、平成三十一年度に全ての小学校で新学習指導要領の内容を一部加え、中学年では十五単位時間の外国語活動を、高学年では現在の三十五単位時間に十五単位時間を加えた五十単位時間の外国語活動を文部科学省が作成、配付した新教材を用いて、必ず実施することとなっております。

全面実施となる平成三十二年度からの具体的な内容として、中学年では、聞くこと、話すことを中心とした外国語活動を年間三十五単位時間行うこととなっており、高学年では、中学年での学習を踏まえ、段階的に文字を読むこと、書くことを加えた教科としての外国語を年間七十単位時間行うこととなっております。

質問8

県教育委員会では、小学校外国語教育の充実に向けてどのように取り組むのかお伺い致します。

答弁8

県教育委員会では、新学習指導要領の内容を説明するため、県内全ての公立小学校の校長及び教員が参加する小学校教育課程説明会を今年度から三年計画で実施しております。
また、今年度から実施している小・中学生英語力向上推進事業の中で小学校外国語教育に係る実践研究に取り組んでおり、研究実践校六校が地域や各学校の実情に応じて、新教材を用いた授業の進め方や授業時数を配当する教育課程の内容等について研究し、公開研究発表会を通して、その成果を県内に波及させることとしております。

小学校教員の英語力、指導力の向上については、平成二十六年度から国が実施している中央研修に小学校教員を派遣しており、各小学校における外国語教育を推進する教員を育成するため、中央研修受講者が講師を務める中核教員研修を平成二十七年度から実施しております。
各小学校では、中核教員研修を受講した教員による校内研修を実施しており、これらの取り組みにより、全ての小学校教員の英語力及び指導力の向上を図ることとしております。
県教育委員会としましては、今後も市町村教育委員会や関係機関と連携し、小学校外国語教育の充実に向けて取り組んでまいります。