活動報告vol.24
八月三日からの大雨による 農作物被害対策について≪一般質問 令和4年12月定例会≫
質問1
冠水被害を受けたリンゴ園地における被害対策についてお伺い致します。
木村次郎代議士と共に完遂被害を調査
答弁1 副知事
八月の記録的な大雨により、岩木川水系河川敷のリンゴ園地において甚大な被害が発生したことを受け、県では、国に対して、県議会と共に果樹産地再生に向けた支援対策を要請したところ、国は、九月中旬に、リンゴ樹の樹勢回復や堆積した土砂の影響防止に向けた生産者の取組を支援する緊急対策を創設いたしました。
また、県独自の対策としては、九月補正予算により、市町村が行う園地に流入したごみ等の処理に係る経費を支援することとしたところです。
被災園地においては、谷川議員をはじめ、県内や全国各地から駆けつけていただいたボランティアの皆様の活動により、流入したごみ等の撤去作業や処理場への運搬が十一月末をもっておおむね終了し、今後、根雪までの間には堆積土砂の影響を防ぐ耕起作業を終える見通しで、来年の生産に向けた準備が整いつつあります。
また、被災した生産者に対しては、各産地協議会が国の支援対策の周知や補助金の申請受付を行っており、令和五年三月下旬までには補助金が支払われる見込みとなっております。
さらに、県では、現在、関係市町と連携して、園地の移転や改植など、今後の営農の意向を確認しており、個々の希望に応じて代替農地の確保や改植、新植等の支援制度の情報を提供するなど、被災農家にしっかりと寄り添いながら、リンゴ生産の継続や経営継承などを支援してまいります。
原油価格・物価高騰等対策について
質問2
物価高騰下における医療・福祉施設等のサービス確保に向けた県の取組みについてお伺い致します。
原油価格・物価高騰対策について質疑
答弁2 健康福祉部長
県民の健康と福祉を保持・増進させる上で必要な医療・福祉施設等においては、各種サービスの提供にあたり、電気・ガス等の使用が不可欠ですが、サービスの対価は診療報酬や介護報酬等で定められており、これらの事業者が独自に価格を変動させることができないことから、昨今の物価高騰の影響をより強く受けているものと認識しています。
このため県では、医療・福祉施設等が、電気代等の光熱費が嵩む冬期間においても安定的に事業を継続できるよう、医療・福祉施設等に対して支援金を給付する県独自の「医療・福祉施設等物価高騰対策支援事業」を実施することとし、一般会計補正予算案に所要の経費を計上し、本定例会において御審議いただいているところです。
質問3
地域公共交通の維持に向けた県の取組みについてお伺い致します。
答弁3 企画政策部長
地域公共交通は、通院、通学、買い物をはじめ、県民が安心して暮らしていく上で、また観光客の移動手段としても重要な役割を担っています。このため、県では、コロナ禍で経営に甚大な影響を受けている地域公共交通事業者の事業継続に向けた支援のほか、路線バスへのICカード導入等の感染防止の取組、各事業者のデジタル化や新サービスの提供等といった利用促進の取組、バス、タクシー、民鉄の業界団体による利用促進キャンペーン等に対する支援など、必要な対応を行ってきました。また、昨年から続く原油価格高騰を踏まえ、今年度の六月補正予算では、県外との交流に必要な輸送サービスである高速バス及び地域住民の生活の足であるタクシーの事業継続のための支援措置を講じたところです。
しかしながら、原油価格の高止まりに加え、急激な円安等を背景とする物価高騰による車両維持経費の増加など、高速バス及びタクシーを取り巻く経営環境は一層厳しさを増していることから、事業継続のために更なる支援をすることとし、本定例会に所要の予算を計上し、御審議いただいているところです。
県としては、今後とも交通事業者を取り巻く環境の変化を見極めながら、関係機関と連携し、地域公共交通の維持に向けて必要な支援を行っていきます。
質問4
物価高騰による私立学校の経営の負担の軽減に向けた県の取組みについてお伺い致します。
答弁4 総務部長
現在、光熱費等の物価の高騰が長期化しており、県内私立学校についても、経営への影響が懸念されることから、県では、私立学校の負担の軽減を図るため、光熱費の高騰相当分に係る経費について補助することとし、本定例会に所要の予算を計上して御審議いただいているところです。
具体的には、私立高等学校、中学校、幼稚園、専修学校及び各種学校の計百三校を対象として、園児・生徒数が十九人以下の場合は、一校当たり定額五万円を、園児・生徒数が二十人以上の場合は、園児・生徒一人当たり二千五百円を交付することとしています。
青森空港の利用回復に向けた取組について
質問5
青森空港国際線の運航再開に向けた県の取組みについてお伺い致します。
青森県への空の玄関口青森空港
答弁5 三村知事
青森空港国際線の再開は、経済の再起動を進めていく上で極めて重要であることから、現在、ソウル線と台北線の定期便の早期再開に向けて、まずはチャーター便の運航を目指し、航空会社等と協議を重ねているところです。
ソウル線については、大韓航空から来年一月から二月にかけてのチャーター便の運航計画が示されたことから、現在、同社や旅行会社と調整を進めており、このチャーター便の実現を、二〇二三年三月末から始まる夏ダイヤ期間中のできるだけ早い時期の定期便再開につなげていきたいと考えています。
また、台北線については、先般、本県を訪れたエバー航空の幹部から、来年四月の桜の時期に合わせてチャーター便の運航を検討している旨のお話があったことから、現在、関係機関と調整を進めており、今月中旬には私自らが台湾を訪問して協議するとともに、夏休みや紅葉の時期のチャーター便運航と一日も早い定期便の再開を要請することとしています。国際線の再開に向けて、諸課題を一つ一つクリアするとともに、県民へのプロモーションや韓国・台湾での知名度向上などを進めていくことが重要と認識しています。私としては、ソウル、台北のチャーター便運航を足掛かりに、関係機関と連携し、一日も早い国際線の再開に向けて、しっかりと取り組んでいきます。
青森空港有料道路の料金割引 社会実験について
質問6
来年三月三十一日で社会実験が終了する予定であるが、社会実験のこれまでの効果と今後の対応についてお伺い致します。
往復割引の社会実験が実施されている空港料金所
答弁6 県士整備部長
青森空港有料道路の料金割引社会実験は、料金徴収期間延長に伴うサービス向上策のひとつとして、往復料金割引を実施した場合の効果や収支計画への影響を確認するため、平成二十九年七月から開始し、その後、三度の延長を経て、来年三月三十一日まで実施することとしています。社会実験開始後の二年間は、開始前に比べて、利用台数が約二十二パーセント増加し、料金割引を実施しているにもかかわらず、料金収入が約七パーセント増加するなど、社会実験によって大きな効果が見られました。
コロナ禍の影響を受けた三年目以降は、利用台数、料金収入ともに二年目までに比べて減少に転じたものの、これは青森空港の利用者の減少による影響が大きいものと考えられます。利用台数の内訳によると、往復割引の利用台数はコロナ禍でもほとんど変動がなく、社会実験前に比べて約十パーセント増加していることから、コロナ禍にあっても、社会実験は一定の効果があったものと考えております。
県としては、コロナ禍では、恒久的な料金割引制度への移行に向けた割引効果について正確な検証を行うことは難しいと考えており、これまでの効果も踏まえて、社会実験をさらに延長する方向で検討して参ります。
子どもの貧困対策の推進について
質問7
子どもの貧困対策の推進に向けた県の取組みについてお伺い致します。
答弁7 三村知事
私は、青森県の未来を担うすべての子どもたちが、現在から将来にわたり夢と希望をもって健やかに成長し、ふるさと青森の地でその希望を実現できる環境づくりを進めることが重要であると考えています。
子どもの貧困は、生活状況や生育環境などの様々な要因が複合的に関係しているとされており、子どもの将来への影響のみならず、世代を超えて連鎖するという問題もあるとされています。そのため、県では「第二次青森県子どもの貧困対策推進計画」を令和三年三月に策定し、その中で「教育の支援」、「生活の安定に資するための支援」、「保護者に対する職業生活の安定と向上に資するための就労の支援」、「経済的支援」及び「新型コロナウイルス感染症等の影響への支援」の五つの重点項目を基本方針として掲げ、子どもの居場所づくりへの支援や、大学入学時等の一時的な経費の貸付事業など、各部局にまたがる施策を総合的に推進し、貧困の連鎖解消に取り組んでいるところです。
今後も、子どもたちが、貧困によって将来を閉ざされることがないよう、市町村、NPO法人、社会福祉法人などの関係機関と連携し、すべての子どもたちが夢と希望をもって成長できる青森県の実現に向けて取組んでいきます。
下水汚泥の肥料利用に向けた取組みについて
質問8
岩木川浄化センター汚泥有効利用施設整備運営事業の進捗状況と今後の見通しについてお伺い致します。
岩木川浄化センター
答弁8 三村知事
下水道は、県民の快適で衛生的な日々の暮らしや地域の経済活動を支える重要なインフラであり、その処理過程で発生する下水汚泥という地域資源を最大限に活用することで、私は、循環型社会の形成に向けた取組を推進していきたいと考えています。
今般、岩木川浄化センターにおける既存焼却炉の老朽化に伴う更新にあたり、焼却、燃料化、肥料化といった下水汚泥の再生利用について検討を重ね、官民連携手法による汚泥の肥料化事業に取り組むこととしました。
この事業を進めるに当たり、本年七月に事業の実施方針と基本的な条件等を示した要求水準書案を公表し、先月下旬、入札公告を開始して、現在、事業に参画する事業者を広く募っているところです。今後は、来年度前半に事業者を決定し、その後、設計・工事を進め令和七年度に施設を完成させた上で、令和八年度からの二十年間、肥料化施設の維持管理・運営・肥料売買を行う予定です。
私は、下水汚泥という有用な資源を地域内で循環させ、地域に還元する地産地消を目指す本事業にしっかりと取り組んでいきたいと考えている。
横断歩道における交通安全対策について
質問9
横断歩道において、歩行者被害の交通事故を防止するための県警察の取組みについてお伺いを致します。
信号機のない横断歩道は歩行者が優先
答弁9 県警本部長
県警察では、本年の交通警察の推進重点の一つに「歩行者安全対策の推進」を掲げ、歩行者保護に関する各種取組を推進しております。
主な取組としては、毎月一日、十五日を「歩行者安全対策強化日」に設定し、横断歩行者等妨害等違反の指導取締りと交通指導隊、交通安全母の会等の関係団体と連携した広報啓発活動を組み合わせた諸活動を推進しているほか、年間を通じて横断歩行者等妨害等の交通指導取締りを強化しております。
また、「ハンド&サンクス」で安全横断をスローガンに掲げ、歩行者に対し、交通安全教室などにおいて、横断する際、運転者に横断する意思を明確に表示すること等を啓発することにより、歩行者の安全な交通行動の実践の促進を図っているほか、運転者に対する、歩行者保護意識の醸成にも努めております。
加えて、「横断歩道は歩行者優先」推進事業として、県の重点枠事業の予算を活用し、タレントの王林さんを起用した歩行者保護を呼びかけるラッピングバスを県内三地区で運行しているほか、バスの中吊り広告の掲載やテレビCMの制作、放送などにより、県民に歩行者保護意識の浸透を図っております。
尚、日没が早くなる年末に向けては、「トワイライト3H作戦」と銘打って、交通安全教育活動や広報啓発活動等を通じ、「早め点灯」、「ハイビームの活用」、「反射材の着用」の浸透を図り、薄暮時間帯における歩行者保護を図るための活動を推進しているところです。